子ども連れでの海外移住は学校選びをどうするかで悩みますよね?もにゃみがインドに移住した大きなキッカケは「子どもたちにいい教育を受けさせてあげたい」というものでした。
ひとくちに「いい教育」といっても、解釈は人それぞれです。
もにゃみが考える「いい教育」とは、決してスパルタの詰め込み学習ではありません。足並みを揃えることを良しとする、同調圧力を加えるものでもありません。
- 子どもたちの持ついいところを伸ばしてくれる
- 自主性を育て、お互いの意思を尊重することを学ぶ
- 愛情を持って接してくれる
これが、もにゃみが教育機関に希望することです。インドではそんな素晴らしい学校が見つかるのでしょうか?
日本とは違う仕組みや年度などを絡めて、インドの学校をご紹介したいと思います。
インドの教育制度を知ろう
まずは、インドの教育制度ってどうなっているのか?という疑問にお答えしちゃいます!
移住して1年半経つのに、だいぶ曖昧なまま平気で生活してたことは内緒です。この記事のお陰で私にもいいお勉強になりました(笑)
インドは3学期制
インドの学校は一般的に4月から始まります。これは日本と同じなので、感覚的に馴染みやすいですよね。
- 1学期:4~8月
- 2学期:9~12月
- 3学期:1~3月
ただし、インドは4~5月は酷暑期!そのため、入学してすぐに夏休みに入ります。実際に学校が始まるのは6月からです。
インドの義務教育は8年間13歳まで
- 就学前教育(preprimary)
3歳:Nursery
4歳:Kindergarten - 初等学校(primary)
5歳:Grade1
6歳:Grade2
7歳:Grade3
8歳:Grade4
9歳:Grade5 - 上級初等学校(upper primary / middle)
10歳:Grade6
11歳:Grade7
12歳:Grade8
ここまでが義務教育です
- 中等学校(secondary / high school)
13歳:Grade9
14歳:Grade10 - 上級中等学校(senior secondary / higher levels)
15歳:Grade11
16歳:Grade12
入学基準がその年の3/31までに満5歳になっていることなので、日本の小学1年生よりも1歳早く小学生になるイメージですね。
この一覧表も4/1時点の年齢で表記してありますので、日本基準でいう高等学校卒業時点では17歳ということになります。
インドで取れる卒業資格は?
インドには、インド国内の基準と、海外でも通用する資格と、学校によって取れる卒業資格が違いますので、どこの国の大学に進学するか…によって、途中で学校を転校することも視野に入れるといいかもしれません。
CBSE(The Central Board of Secondary Education)
出典:CBSE
中央中等教育審議会(The Central Board of Secondary Education)が行う試験を通ると手に入る資格で、インド政府が定めた教育基準です。
中等学校卒業のGrade10のときに進級試験があり、これに合格しないとそれより上の学校へ進むことができません。
上級中等学校卒業のGrade12で受ける試験は、日本で言うセンター試験のようなもので、この結果次第で受けられる大学が変わってきます。
IB(国際バカロレア)
出典:IB
世界に通用する大学受験資格として、日本でも注目されている国際バカロレア。インド国内では、主にインターナショナルスクールが取り入れています。
論理的な思考力や、人間としての生き方を問われる、全人的教育がモットーで、論文や弁論、課外活動なども評価の対象になります。ただの詰め込み勉強=学力だけでは試験を通過できない難関です。
資格取得は難しいですが、世界に通用するので、大学進学の選択肢の幅が広がります。
IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)
イギリスの中等学校卒業試験で、なかでもCambridge大学が作ったものが一番信頼性が高いと言われ、インドのインターナショナルスクールでも多く採用されています。
ただ、これだけでは大学受験資格は得られないので、この後にIB(国際バカロレア)のDPを取得するか、イギリスの大学受験資格であるA-levelの取得を目指すことになります。
もにゃみの子どもたちが通う学校は、このケンブリッジ式の教育と国際バカロレアを採用しています。
インドの公立校・私立校
インドには大きく分けて3種類の学校があります。
- 公立校(Government School)
- 私立校(通称:Local International school)
- インターナショナルスクール
それぞれの特徴と学費をザックリとご紹介します。
公立校(Government School)
直訳すると「政府の学校」となり、その言葉の通り州政府や国が初等教育の就学率100%を目指して運営しています。州によって多少異なりますが、学費は無償で、制服や給食、学用品等も支給されます。
授業は全てヒンディ語、或いは州の言語で行われているため、外国人が入学することはまずありません。
日本人がインドの学校と聴いて想像する、制服を着た大勢の子どもたちが床に座って授業を受ける風景は、主に公立校によるものです。あまりにも生徒数が多すぎて、午前と午後の二部制になっている学校もあるほどです。
私立校(通称:Local International school)
ローカルインターと呼ばれる私立校は、本来は公立という意味の「Public」と学校名に付いているところも多く、紛らわしいのが難点です。
住宅街に紛れている小さな学校から、広大な敷地が一区画にも渡るマンモス校まで、さまざまな規模の私立校があります。その設備も学費もピンキリで、1000~200,000円/月と大きな差が。
授業は全て英語で行われ、インドの中流以上の家庭では子どもたちを私立校に通わせるのが一般的です。なかには進学校として名高い学校もありますが、そのスパルタ教育が子どもたちを追い詰めているという話もよく耳にします。
1クラスの人数も4-50人と非常に多く、生徒のほとんどがインド人のため、生徒同士の会話はヒンディ語がメインとなります。外国人は環境に馴染むのに少し時間が掛かるかもしれません。
そして、デリー・グルガオン地区では私立校への入学戦争は熾烈を極めており、みんな20校ほども入学申し込みをします。申し込みの際には、自分の子どもの推薦文や健康診断書、予防接種の証明書などを準備して、朝早くから学校の窓口に並びます。
特に大変なのが3歳のNurseryと5歳のGrade1の入学です。一度入学すればあとは一貫校なので、最初が肝心!とばかりにみんな必死になります。
有名校のほとんどはオンラインで事前に申し込む必要があるのですが、これが意外と大変!オンラインフォーム入力サービスを謳っているネットカフェもあるほどで、長男の同級生のママさんはそこに行って有料でやってもらったと言っていました。
ただ、この申し込み内容は外国人にはとっても不利。なんせポイント制になっているんです。
- 親族の中にこの学校の卒業生はいるか
- 在学中の兄弟はいるか
- 何ヶ国語(州の言語含む)話せるか
- 学校からの距離は何㎞か
などの質問項目がズラッと並び、その回答の獲得ポイントが高い順に入学許可が下ります。当然、外国人には取れるポイントが少なく、もにゃみ自身が申込み手続きをしたときは学校からの距離しかポイントになりませんでした。
「希望校に入れるかどうかは宝くじのようなものね」とは前述のママさんのお言葉。…深い。
外国人が入学する場合は、直接学校長に会ってお願いするのが一番確実なんだそうです。(裏技です)
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールといっても、インドにはアメリカン・ブリティッシュ・カナディアン・スウェーディッシュと、いろいろな国のインターナショナルスクールがあります。
学校ごとに特色があり規模もさまざまですが、基本的には少人数制で手厚い教育体制を取っているところがほとんどです。もにゃみの子どもたちはアメリカンスクールに通っていますが、1学年1クラスで、10人前後。そこに先生が2人付きます。
授業は全て英語で、いろいろな国の子が通っているため、生徒同士の日常会話も基本的に英語で行われます。英語が母国語ではない子たちが多いので、低学年であればあるほど語学力の優劣が少なく、馴染みやすいと言えるでしょう。
学費は50,000~250,000円/月で、学費補助の出る駐在員のお子さんが多い印象です。現地採用者には少々負担が大きいのは否めません。
それでも、もにゃみの子どもたちが通えているのはScholarship(奨学金)のおかげです。各学校によって違いますが、インターにはいくつかのランクの奨学金制度があるようですので、挑戦してみることをおススメします。
入学の申し込みも面接のみのところと、学力・英語力の試験があるところと二極化されているようです。また、教育制度や就学年齢、学期編成も元の国の基準に沿う為、前述の通りではなく学校ごとに差異があり、前期・後期の2期制を採用している学校が多いようです。
番外編:インドの日本人学校・プリスクール
インドで駐在をされている方のお子さんの多くが日本人学校に通っています。また、未就学児を連れてきている方が利用するのがPreschool、またはPlayschoolと呼ばれるところです。
こちらにも簡単に触れていきたいと思います。
日本人学校
出典:ニューデリー日本人学校
インド国内では、首都ニューデリーとムンバイに日本人学校があります。また、チェンナイとバンガロールには補習授業校があり、現地校と併用する形で日本の教育を受けることができます。
学費はRs.22,000/月で、日本円にすると37,400円(2018年時点:レート1.7円換算)です。中学までしかないので、高校生以上のお子さんがいらっしゃる場合は、上記の私立校やインターに通う必要があります。
個人的にいうと、日本の教育方針が合わなくてインド移住した身としては、絶対に選ばない学校ではありますが…子どもたちの日本語習得のために、日本の教科書配布制度はありがたく利用させて頂いています。
プリスクール・プレイスクール
主に未就学児童を受け入れてくれる保育園(幼稚園)をプリスクールと呼びます。なかにはプレイスクールという名前のところも。
英語やヒンディ語の読み書きの基礎を教えてくれたり、ダンスや歌、工作やお絵かき、社会見学など多様なアクティビティが用意されています。
授業は午前中のみですが、希望者は午後遅い時間までデイケア(延長保育)を受けられます。そのため、共働きの家庭でも安心して預けることができます。
基本的には英語を使いますが、まだまだ小さな子どもが中心のため、ヒンディ語も多用されています。学費は2,000~30,000円/月ほどで、デイケア料金はさらに追加で支払う必要があります。
とにかく見学してみよう!
インドの学校を紹介してきましたが、いかがでしたか?
今では私立校やプリスクールのほぼすべてがホームページを持っています。Google Mapから家の近くの学校を探して、片っ端からホームページをチェックしてみることをおススメします。
そして、気になる学校を見つけたらとにかく突撃してみましょう!
あなたのお子さんにピッタリの学校が見つかりますように!!
日本でもインド式インターナショナルスクールがじわじわと人気を集めてるみたいですね。
最近、もにゃみの同級生も娘ちゃんの入学のために引っ越していましたよ!
リアルなインドの学校ってどんなところなんだろう…気になりませんか?